薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 112
真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。
2 転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。
3 転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。
4 転写されたmRNAの5’末端にはキャップ構造が、3’末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。
5 mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。
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解答 3
1 正しい
プロモーターとは、遺伝子の転写を開始する際にRNAポリメラーゼが結合するDNA領域のことである。また、真核細胞はプロモーターがRNAポリメラーゼを直接認識することができないため、基本転写因子を介することにより、プロモーターに結合する。
2 正しい
転写調整因子には転写活性化因子と転写抑制化因子があり、それぞれが特定のDNA領域に結合することにより、遺伝子の転写量を調節している。
3 誤っている
クロマチンは、DNAがヒストンに巻き付いた形で存在する。転写活性化因子のヒストンアセチル化酵素(HAT)活性化により、各ヒストン分子が有するリジン残基のアセチル化が起こる。それにより、DNAとヒストンの親和性が低下するため、クロマチンの凝集が抑制される。
4 正しい
真核細胞の転写により生成する成熟mRNAは、プロセシングにより5’末端にキャップ構造が3’末端にポリアデニル酸(ポリA)がそれぞれ付加されている。
5 正しい
真核生物のDNAから転写されたRNAは、プロセシングを受けて成熟mRNAになる。この過程で除去されるRNA部分をイントロンという。また、成熟mRNAを構成するRNA部分をエキソンという。
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