薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 118
滅菌・殺菌・消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。
2 マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45 µmのフィルターでろ過する。
3 輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。
4 芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。
5 傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。
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解答 4、5
1 誤
結核菌で汚染された金属製医療器具を滅菌する方法には、グルタラールなどの高水準消毒薬を用いる方法などがある。なお、高周波の電磁波(2450±50 MHz)を照射し、発生する熱によって微生物を滅菌する高周波滅菌法は、密封容器に充填された液状または水分量の多いものに適用するが、高周波が通過できない金属には用いることができない。
2 誤
マイコプラズマを除去する方法には、孔径0.22 µmのフィルターでろ過を行う方法などがある。なお、マイコプラズマの長径は約0.3 µmであり、孔径0.45 µmのフィルターでは取り除くことはできない。
3 誤
製造過程において輸液チューブを滅菌する方法には、γ線照射などがある。なお、過酸化水素低温プラズマ滅菌法は、過酸化水素ガスの浸透性が低いため、輸液チューブのような細長い管状の構造物を滅菌することが難しい。また、使用済みの輸液チューブは原則再利用禁止であるため、再利用目的の滅菌は行わない。
4 正
芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を殺菌消毒する方法には、グルタラールなどの高水準消毒薬を用いる方法などがある。グルタラールは、芽胞を含む全ての微生物を殺滅できるため、内視鏡のような医療器具の消毒に用いられる。
5 正
傷口や手術部位の皮膚を消毒する方法には、ポビドンヨードを用いる方法などがある。ポビドンヨードは、中水準消毒薬であり芽胞を除く広範囲の微生物に有効であり、人体に対する毒性が低いことから、傷口や手術部位の皮膚の消毒に用いられる。
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