薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 127
エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 呼吸商とは、二酸化炭素排出量から酸素消費量を差し引いた値である。
2 Atwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定された値である。
3 非タンパク質呼吸商は、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められる。
4 基礎代謝基準値は、男女ともに10代で最大となる。
5 成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められる。
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解答 2、5
1 誤
呼吸商とは、生体内で栄養素が分解されてエネルギーに変換する際の体積比のことで、二酸化炭素排出量を酸素消費量で除した値である。
2 正
糖質、脂質のAtwater係数(栄養素1 gあたりの利用エネルギー)は物理的燃焼値と消化管吸収率より求めることができる。それに対して、タンパク質は物理的燃焼値と消化管吸収率のほか、未利用エネルギーを考慮する必要がある。その理由として、タンパク質は窒素を含んでおり、酸化されず尿素などの窒素代謝物として排泄される(吸収されてから未利用エネルギーの排泄)。そのため、タンパク質のAtwater係数は、物理的燃焼値に消化管吸収率を乗じ、未利用エネルギーを差し引くことにより算出可能となる。
3 誤
一定時間のO2消費量の実測値及びCO2排出量の実測値からタンパク質燃焼時に要したO2消費量及びCO2排出量を差し引くことにより、糖質及び脂質に要したO2消費量とCO2を算出することができる。これらの比を非タンパク質呼吸商といい、下式のように表される。
これに対し、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められるのは、タンパク質の燃焼量である。
4 誤
基礎代謝基準値は、2歳前後で最大となる。10代で最大となるのは、基礎代謝量である。
5 正
成人の推定エネルギー必要量は、下式により求められる。
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