薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 135
発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 O−トルイジンは、シトクロムP450によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。
2 サイカシンは、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される。
3 スチレンは、シトクロムP450によりスチレンオキシドに活性化される。
4 ビス(クロロメチル)エーテルは、グルタチオン抱合により活性化される。
5 ナイトロジェンマスタードは、酸化的代謝反応で生じるアルキルジアゾヒドロキシドに活性化される。
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解答 1、3
1 正
O−トルイジンは、シトクロムP450によるN-水酸化を受けヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応(アセチル抱合)又は硫酸抱合を受け活性本態であるニトレニウムイオンとなり変異原性を示す。
2 誤
サイカシンは、腸内細菌が産生するβ-グルコシダーゼによる加水分解を受け活性本態であるメチルカチオンとなり変異原性を示す。なお、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される物質は、7,12-ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)である。
3 正
スチレンは、シトクロムP450によるエポキシ化を受け活性本態であるスチレンオキシドとなり変異原性を示す。
4 誤
ビス(クロロメチル)エーテルやナイトロジェンマスタードは、一次発がん物質であるため、代謝活性化を受けずに変異原性を示す。なお、グルタチオン抱合により活性化される物質は、1,2-ジブロモエタンや1,2-ジクロロエタンである。
5 誤
解説4参照
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解説動画1 ( 12:12 )
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