薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 139
大気汚染物質に関する法規制と環境基準に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 二酸化硫黄と微小粒子状物質には、環境基準が設定されている。
2 ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されている。
3 窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。
4 大気中のダイオキシン類に対して、環境基準が設定されている。
5 自動車交通による大気汚染状況に対応するため、特定地域において自動車からの窒素酸化物と粒子状物質の排出量削減が行われている。
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解答 3
1 正しい
環境基本法により、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンといった大気汚染物質について環境基準が設定されている。
2 正しい
大気汚染防止法により、ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されている。大気汚染防止法では、工場や事業所等の固定発生源から排出する大気汚染物質において、物質の種類ごと、施設の規模・種類ごとに排出基準が定められている。
3 誤っている
有効煙突高さに応じてK値規制が設定されているのは硫黄酸化物である。K値規制とは、ばい煙発生施設から排出される硫黄酸化物に対して、地域ごとに定められた値(K値)と排出口(煙突)の高さに応じて算出される排出基準である。
Q = K × 10−3 × He2
Q:硫黄酸化物の許容排出量
K:地域ごとの定数(3.0〜17.5)
He:有効煙突高さ
(実際の煙突の高さに、排煙温度、排煙量、排煙速度によって変化する煙の高さに基づき補正を加えた値)
4 正しい
大気中のダイオキシン類に対して、ダイオキシン類対策特別措置法において大気汚染に係る環境基準が設定されている。
5 正しい
自動車交通量の多い特定地域(首都圏、近畿圏など)において「車種規制」を行い、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の排出量の少ない自動車を使うことで、自動車に起因する窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の総量削減を目的とした「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」が定められている。
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