薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 153,154
問153〜154
26歳女性。以下の処方箋を持って来局した。患者からの聞き取りによると、「会社の部署の異動により、寝付けなくなった。眠りにつくことができれば朝まで眠れるが、寝付けないときには、ついスマートフォンで動画を見てしまう。寝坊するのが怖くて眠れない日もある。他に病気はない。」という。
問153(薬理)
処方されたラメルテオンに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 視交叉上核のオレキシン受容体を遮断して、睡眠覚醒のリズムのずれを改善する。
2 Gsタンパク質と共役する受容体を刺激して、細胞内サイクリックAMP(cAMP)レベルを増加させる。
3 Cl-チャネルを内蔵する受容体を刺激して、Cl-を細胞内に流入させる。
4 メラトニンMT1及びMT2受容体を刺激する。
5 上行性脳幹網様体賦活系に作用して覚醒レベルを引き下げる。
問154(病態・薬物治療)
この患者の睡民障害の型として考えられるのはどれか。1つ選べ。
1 入眠障害
2 中途覚醒
3 熟眠障害
4 早期覚醒
5 過眠障害
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問153 解答 4
ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体を刺激し、睡眠覚醒リズムを調節するため、睡眠薬として用いられる。
なお、その他の催眠薬としては、Cl-チャネル内蔵型受容体であるGABAA受容体を活性化するベンゾジアゼピン系催眠薬、非ベンゾジゼピン系催眠薬、バルビツール酸系催眠薬や、オレキシン受容体を遮断するスボレキサント、Gqタンパク質共役型受容体であるヒスタミンH1受容体を遮断するジフェンヒドラミンなどがある。
問154 解答 1
「会社の部署の異動により、寝付けなくなった。眠りにつくことができれば朝まで眠れる」という主訴と、不眠症における入眠困難の改善薬であるラメルテオン錠が処方されていることから、本患者の睡眠障害の型は入眠障害であると判断できる。
1 正
入眠障害とは、床に入ってもなかなか寝付けず、それを苦痛と感じる状態である。
2 誤
中途覚醒とは、寝入ったとしても、夜中に何度も目が覚めてしまう状態である。
3 誤
熟眠障害とは、睡眠時間は十分であるのに、ぐっすりと眠った感じが得られない状態である。
4 誤
早朝覚醒とは、入眠は問題なくできるが、早朝に目が覚めてしまって、その後寝付けない状態である。
5 誤
過眠障害とは、十分な睡眠時間が取れているにも関わらず、日中に強い眠気が生じ、覚醒の保持が困難な状態である。
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