薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 168
内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 カベルゴリンは、ドパミンD2受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。
2 プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。
3 デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。
4 リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。
5 メチラポンは、11β−ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。
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解答 2、5
1 誤
カベルゴリンは、ドパミンD2受容体刺激薬であり、下垂体のD2受容体を刺激し、プロラクチンの分泌を抑制する。
2 正
プロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤であり、下垂体前葉に作用して甲状腺刺激ホルモン(TSH)分泌を促進するとともに、プロラクチン分泌を促進する。
3 誤
デスモプレシンは、バソプレシン誘導体であり、選択的にバソプレシンV2受容体を刺激することで、腎集合管における水の再吸収を促進させることで抗利尿作用を示す。なお、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害するのは、トルバプタンやモザバプタンである。
4 誤
リオチロニンは、甲状腺ホルモンであるT3製剤であり、甲状腺機能を亢進させる。なお、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制するのは、プロピルチオウラシルやチアマゾールである。
5 正
メチラポンは、副腎皮質ホルモン生合成阻害薬であり、ステロイドホルモンの生合成過程において11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)を阻害し、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)産生を抑制する。
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