薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 192
遺伝子治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 失われた組織の再生を目指した治療である。
2 がんや先天的遺伝子疾患の治療への応用が試みられている。
3 in vivo遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して、標的細胞に導入する方法である。
4 レトロウイルスベクターの欠点を補うためにアデノウイルスベクターが開発された。
5 生殖細胞への遺伝子導入が繁用されている。
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解答 2、3
1 誤
遺伝子治療とは、治療効果が期待できるタンパク質の発現を目的に、そのタンパク質をコードした遺伝子を患者に導入する治療法である。なお、細胞の再生機能を用いて、失われた組織の再生を行う治療は再生医療である。
2 正
3 正
遺伝子治療にはin vivo遺伝子治療とex vivo遺伝子治療がある。そのうち、in vivo遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して標的細胞に導入する方法である。一方、ex vivo遺伝子治療は、患者から細胞を採取し、ベクターを用いて遺伝子を導入したのち、再び患者体内に戻す方法である。
4 誤
レトロウイルスベクターは安定した遺伝子発現ができるため、遺伝子治療の中心となっているベクターであるが、導入の際に標的細胞の細胞分裂が必要となる。そのため、神経細胞や造血幹細胞などの非分裂細胞への導入が困難であったが、この欠点を補うために開発されたのがレンチウイルスベクターである。
5 誤
遺伝子導入が可能な細胞は体細胞に限定されており、生殖細胞への遺伝子導入は倫理的観点から禁止されている。
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