薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 理論問題 - 問 195
遺伝学的検査・診断に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。
2 遺伝情報は、血縁者間で一部共有されていることを考慮する必要がある。
3 遺伝学的検査は、出生前診断のために行われることはない。
4 発症前診断は、当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査である。
5 非発症保因者診断では、発症する前に将来の発症を予測するために検査を行う。
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解答 1、2
1 正
すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査は、主に臨床的に可能性が高いと考えられる疾患の確定診断や、検討すべき疾患の鑑別診断を目的として行われ、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。
2 正
遺伝学的検査・診断を実施する際に考慮すべき遺伝情報の特性として、下記のような特性があげられる。
・血縁者間で一部共有されていること
・生涯変化しないこと
・血縁関係にある親族の遺伝型や表現型が比較的正確な確率で予測できること
・非発症保因者(将来的に発症する可能性はほとんどないが、遺伝子変異を有しており、その変異を次世代に伝える可能性のある者)の診断ができる場合があること
・発症する前に将来の発症をほぼ確実に予測することができる場合があること
・出生前診断に利用できる場合があること
・不適切に扱われた場合には、被検者および被検者の血縁者に社会的不利益がもたらされる可能性があること
3 誤
解説2参照。
4 誤
発症前診断とは、発症する前に将来の発症を予測するために行う検査である。当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査は、非発症保因者診断である。
5 誤
解説4参照。
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