薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 一般 実践問題 - 問 322,323
58歳男性。不眠のため心療内科を受診し、以下の処方箋を持って保険薬局を訪れた。薬剤師がゾルピデム錠の添付文書を確認したところ、ゾルピデム錠は向精神薬であり、医療保険制度上、30日の処方日数の上限があることが判明した。
問322(実務)
今回のゾルピデム錠の処方に関し、薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 60日処方可能な睡眠薬に変更できないか疑義照会した。
2 医師に疑義照会せずそのまま調剤した。
3 30日分に処方変更するよう疑義照会した。
4 分割調剤して30日分だけ交付した。
5 30日分の処方箋を2枚発行するよう医師に依頼した。
問323(法規・制度・倫理)
我が国の医療保険制度において、向精神薬以外にも、長期投与に注意を要するために、処方日数の上限が設けられている医薬品はどれか。2つ選べ。
1 麻薬
2 特定生物由来製品
3 放射性医薬品
4 毒薬・劇薬に指定されている医薬品
5 薬価基準収載の翌月の初日から1年未満の新医薬品
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問322 解答 1、3
1 正
ゾルピデム錠は医療保険制度上、30日の処方日数の上限があるが、全ての向精神薬に30日の処方日数の上限があるわけではないため、60日処方可能な睡眠薬(処方日数の上限が無い睡眠薬)に変更できないか疑義照会することは適切である。
2 誤
今回のゾルピデム錠の処方が30日の処方日数の上限を超える60日分であるため、本対応は不適切である。
3 正
ゾルピデム錠は医療保険制度上、30日の処方日数の上限があるため、30日分に処方変更するよう疑義照会することは適切である。
4 誤
分割調剤を行う場合でも、今回のゾルピデムの処方が30日の処方日数の上限を超える60日分であることに変わりはないため、本対応は不適切である。
5 誤
30日分の処方箋を2枚発行する場合でも、今回のゾルピデムの処方が30日の処方日数の上限を超える60日分であることに変わりはないため、本対応は不適切である。
問323 解答 1、5
我が国の医療保険制度において、長期投与に注意を要するために、処方日数の上限が設けられている医薬品は、新医薬品(薬価基準収載の翌月の初日から1年未満)、麻薬、向精神薬である。
処方日数の上限は、新医薬品(薬価基準収載の翌月の初日から1年未満)の場合は14日以内、麻薬の場合は14日または30日以内、向精神薬の場合は14日、30日または90日以内である。
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