薬剤師国家試験 令和03年度 第106回 - 必須問題 - 問 55
図に示す受動的ターゲティングを利用した製剤はどれか。1つ選べ。
1 ドキシル®️注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)
2 パルクス®️注5 µg(アルプロスタジル)
3 オンパットロ®️点滴静注2 mg/mL(パチシランナトリウム)
4 アムビゾーム®️点滴静注用50 mg(アムホテリシンB)
5 リメタゾン®️静注2.5 mg(デキサメタゾンパルミチン酸エステル)
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解答 1
受動的ターゲティングは、生体の血管透過性や異物処理機構などの生理学的特徴や、正常組織と病態組織の違いを利用して、目的部位に薬物を受動的に送達させる手法である。受動的ターゲティングに用いられるキャリアーとして、リポソームやリピッドマイクロスフェアなどがある。設問中の図のような、薬物を含むリポソームが腫瘍組織中で薬物を放出する製剤として、ドキシル®️注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)などが存在する。
1 正
ドキシル®️注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)は、抗悪性腫瘍薬であるドキソルビシン塩酸塩をリポソームに封入することで腫瘍組織に効率的に送達させることを目的とした受動的ターゲティング型製剤である。
2 誤
パルクス®️注5 µg(アルプロスタジル)は、慢性動脈閉塞症治療薬であるアルプロスタジルをリピッドマイクロスフェアに封入することで閉塞部位に効率的に送達させることを目的とした受動的ターゲティング型製剤である。
3 誤
オンパットロ®️点滴静注2 mg/mL(パチシランナトリウム)は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬であるパチシランナトリウムを脂質ナノ粒子に封入することで肝細胞に効率的に送達させることを目的とした製剤である。
4 誤
アムビゾーム®️点滴静注用50 mg(アムホテリシンB)は、真菌感染症治療薬であるアムホテリシンBをリポソームに封入することで真菌感染部位に効率的に送達させることを目的とした受動的ターゲティング型製剤である。
5 誤
リメタゾン®️静注2.5 mg(デキサメタゾンパルミチン酸エステル)は、関節リウマチ治療薬であるデキサメタゾンパルミチン酸エステルをリピッドマイクロスフェアに封入することで炎症部位に効率的に送達させることを目的とした受動的ターゲティング型製剤である。
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