薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 理論問題 - 問 194
EBMの実践に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。
2 情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。
3 PICO又はPECOとよばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。
4 論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の評価という。
5 割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention−to−treat)解析という。
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解答 3、4
EBM(Evidence-Based Medicine)は日本語に訳すと”根拠に基づく医療”であり、個々の患者の医療判断の決定に最善の根拠を良心的かつ明確に利用することである。このEBMの実践手順は以下の5段階のステップからなる。
step 1:問題の定式化
step 2:問題解決のための情報収集
step 3:情報の批判的吟味
step 4:情報の患者への適用
step 5:step 1~step 4のフィードバック
また、このうち、step 3およびstep 4では、情報の吟味が必要となる。
まずstep 3で情報の批判的吟味を行う際は、その情報の元となった臨床研究の手法が正しかったかどうかの検討や、論文等に示された研究成果の正確度や再現性の確認などを行わなければならない。これを内的妥当性(研究内部の妥当性)の評価という。
次にstep 4でstep 2、step 3で得られた情報の元となった患者集団と、眼前の患者の背景がどれだけ似ているかを考慮し、適用の可否を検討しなければならない。これを外的妥当性(適用可能性)の評価という。
1 誤
最初のプロセスは「問題の定式化」である。
2 誤
情報を効率的に収集するためには、一次資料の検索を容易にしたものである二次資料の調査から開始する。
3 正
最初のプロセスにおける「問題の定式化」では、下記のようなPICO又はPECOとよばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて行う。
4 正
前記参照
5 誤
PPB(per−protocol−based analysis)解析は、割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除き、プロトコール通りに実施された症例のみを解析する手法である。なお、ITT(intention−to−treat)解析は、治療しようとした全例を解析対象とし、脱落者も含めて解析する手法である。
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