薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 232,233
39歳女性。今回初めて妊娠した。8週目の妊婦健診でB型肝炎の検査を実施したところ、HBs抗原が陽性であった。
問232(実務)
この妊婦への対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。
1 HBe抗原を検査する。
2 B型肝炎ワクチンを接種する。
3 速やかに、抗HBs人免疫グロブリンを投与する。
4 エンテカビルを投与する。
5 出産まで、特に対応の必要はない。
問233(衛生)
この妊婦から出生した児に対して行うB型肝炎ウイルス感染に関する予防処置を時系列で示した(A〜C)。正しい組合せはどれか。1つ選べ。
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問232 解答 1
妊婦健診において、B型肝炎母子感染防止事業に基づき、妊婦にはHBs抗原検査が実施され、この結果陽性とされた者については、HBe抗原検査を必ず行い、母子感染の危険度を的確に把握するとともに妊婦の健康管理を行う。
1 正
前記参照
2 誤
B型肝炎ワクチン(HBワクチン)は、HBs抗原陽性の妊婦から出生した児に対して母子感染防止を目的に用いられる。
3 誤
抗HBs人免疫グロブリン(HBIG)は、HBs抗原陽性の妊婦から出生した児に対して母子感染防止を目的に用いられる。
4 誤
エンテカビルは、B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制に用いられる。ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされ、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
5 誤
前記参照
問233 解答 4
HBs 抗原陽性の母親から出生した児に対し、原則として以下の感染予防処置を行う。
①出生直後(12時間以内が望ましいが、もし遅くなった場合も生後できる限り早期に行う)
通常、HBIG 1 mL(200単位)を2か所に分けて筋肉注射し、HBワクチン0.25 mLを皮下注射する。
②生後1ヶ月
HBワクチン0.25 mL皮下注射
③生後6ヶ月
HBワクチン0.25 mL皮下注射
④生後9〜12ヶ月を目安にHBs抗原とHBs抗体検査を実施
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