薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 308,309
30歳女性。「この季節になると、くしゃみが出て、鼻が詰まってつらい」との訴えがあり、仕事や家事などで忙しいため、市販薬で対処したいと、薬局に相談に来た。そこで、薬剤師は要指導医薬品のフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻薬を勧めた。
問308(実務)
当該医薬品を販売する前に、薬剤師が確認する内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 光線過敏症と診断されたことがあるか。
2 鼻水の色が黄色く鼻腔に痛みがあるか。
3 狭心症、心筋梗塞と診断されたことがあるか。
4 貧血と診断されたことがあるか。
5 危険を伴う機械操作をしているか。
問309(法規・制度・倫理)
この女性は当該医薬品の購入を希望した。販売時の薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 女性に情報提供及び指導を行い、その内容を理解したこと、質問がないことを確認した。
2 母親も同様の症状があるが、仕事で忙しく来局できないとのことだったため、母親の分も販売した。
3 この医薬品は、インターネットでも購入可能であると説明した。
4 仕事が忙しく何回も購入することが面倒とのことだったので、10箱をまとめて販売した。
5 販売した薬剤師の氏名、薬局の名称、連絡先を女性に伝えた。
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問308 解答 2
要指導医薬品のフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻薬は、花粉による季節性アレルギーの症状(鼻づまり、鼻水など)を緩和する目的で市販されている。本剤は、免疫抑制作用があるため、頭、額、頬や鼻腔などに痛みがあり、黄色や緑色などの鼻汁のある人には使用する前に医師又は薬剤師に相談することとされている。
よって、当該医薬品を販売する前に、薬剤師が確認する内容として、最も適切なのは、「鼻水の色が黄色く鼻腔に痛みがあるか」である。
問309 解答 1、5
1 正
薬剤師は、要指導医薬品を購入しようとする者に対し、情報提供及び指導を行うとともに、その内容について理解し、質問がないことを確認しなければならない。
2 誤
薬局開設者又は店舗販売業者は、薬剤師等に販売又は授与する場合を除き、要指導医薬品の使用者以外の者に対して、正当な理由(大規模災害時等)なく、要指導医薬品を販売又は授与してはならない。
3 誤
薬局において、インターネット販売などの特定販売をすることができる医薬品は、一般用医薬品(第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)及び薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬を除く)であるが、要指導医薬品は特定販売することはできない。
4 誤
要指導医薬品の販売は、適正な使用のため必要と認められる数量の販売としている。従って、何回も購入することが面倒であることを理由に要指導医薬品10箱をまとめて販売することはできない。
5 正
要指導医薬品の販売時には、購入者に副作用等が生じた際に適切な対応ができるよう、販売した薬剤師の氏名、薬局の名称、連絡先を女性に伝えなければならない。
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