薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 312,313
24歳女性。病院の婦人科を受診後、以下の処方箋を持参し来局した。
問312(実務)
この患者への薬剤師の説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。
1 この薬は今すぐ服用してください。
2 この薬を服用しても、月経周期や出血の状況に影響はありません。
3 この薬を服用すると、性感染症の発症を予防できます。
4 この薬を服用すると、完全に妊娠を回避できます。
5 この薬は計画的な避妊にも用いられます。
問313(法規・制度・倫理)
この診療は保険外診療である。この処方箋に記載されていなければならないのはどれか。2つ選べ。
1 患者の年齢
2 保険者番号
3 病院の所在地
4 専門医の資格
5 処方理由
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問312 解答 1
レボノルゲストレル錠は、排卵抑制作用や受精阻害作用及び受精卵の着床阻害作用により避妊効果を示す合成黄体ホルモンである。本剤は緊急避妊薬であり、性交後72時間以内に服用する必要がある。
1 正
本剤を投与する際には、できる限り速やかに服用する。
2 誤
本剤の服用により、月経遅延や月経過多、不正性器出血が現れることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合はすぐに相談するよう指導する。
なお、本剤投与後には、不正性器出血や妊娠初期の出血を月経と区別できないこともあることから、月経周期を考慮し適切な時期に再来院するよう指導を行う必要がある。
3 誤
本剤では性感染症の発症を予防することはできない。よって、性感染症を防ぐにはコンドームを使用するよう指導する。
4 誤
本剤を服用しても、完全に妊娠を回避することはできない。臨床試験において、本剤を性交後72時間以内に服用した場合においても妊娠した例が報告されている。また、すでに成立した妊娠には、本剤の有効性は期待できない。
5 誤
本剤は、避妊措置に失敗した又は避妊措置を講じなかった性交後に緊急的に用いるものであり、通常の経口避妊薬のように計画的に避妊を回避するものではない。
問313 解答 1、3
保険外診療の処方箋は、医師法に基づく処方箋記載事項を満たしていればよい。
医師法における処方箋記載事項は、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院もしくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所、記名押印又は署名である。
(医師法施行規則第21条)
なお、保険診療の処方箋は、保険医療機関及び保険医療担当規則で様式が規定されており、通常の処方箋の記載事項の他に保険者番号や被保険者証・被保険者手帳の記号・番号などを記入する欄がある。
(療担規則第23条)
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