薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 320,321
62歳男性。パーキンソン病にて治療をしていたところ、症状が進行し嚥下が困難になったので、経管投与が開始となった。この患者の妻が薬局に以下の処方箋を持参した。処方箋を受け取った薬剤師は、医師に簡易懸濁法で投与することを提案したところ受け入れられた。薬剤師は、妻に簡易懸濁法による投与方法について指導することにした。なお、今回の処方薬はすべて簡易懸濁法により投与可能である。
問320(実務)
この患者の妻に対する薬剤師の指導の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 朝は処方1〜3までの薬剤を、夕は処方1と2の薬剤を、まとめて懸濁してください。
2 処方3の薬剤はカプセルを外してから、懸濁してください。
3 処方1と2の薬剤は粉砕してから、懸濁してください。
4 懸濁には、90℃以上の熱いお湯を用いてください。
5 薬剤が溶解したのを確認してから、投与してください。
問321(法規・制度・倫理)
その後、介護が大変になったと妻より相談があり、薬剤師が介護保険について情報提供することとした。薬剤師の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ご主人の疾患の場合は65歳にならなくても介護保険が申請できます。
2 申請書類は薬局に提出してください。
3 要介護の認定は、心身の状態と主治医の意見をもとに判定されます。
4 要介護状態は、要介護1と2の2つに区分されています。
5 要介護認定を受けた場合は、介護保険と医療保険のどちらを適用するかは、薬局と患者の相談で決めます。
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問320 解答 1
簡易懸濁法とは、錠剤の粉砕やカプセルの開封を行わずに、錠剤やカプセルをそのまま温湯(約55℃)に入れてかき混ぜ、放置し、崩壊・懸濁させた懸濁液を注射器に吸い取り経管投与する方法である。
1 正
簡易懸濁法は、服用時点ごとにまとめて懸濁することが可能である。ただし、薬剤により簡易懸濁法を行うことができない薬物もあるため注意は必要である。本設問において「今回の処方箋はすべて簡易懸濁法により投与可能である。」とあるため、設問の指導は適切となる。
2 誤
処方3の薬剤はカプセルをそのまま温湯に入れて懸濁するよう指導する。
3 誤
処方1と2の薬剤は錠剤をそのまま温湯に入れて懸濁するよう指導する。
4 誤
薬物の懸濁には基本的に55℃の温湯を用いるよう指導する。
5 誤
薬物が溶解している必要はなく、懸濁していれば投与は可能である。そのため、温湯を入れてかき混ぜ、10分程度放置し、薬剤が崩壊・懸濁していることを確認して投与するよう指導する。
問321 解答 1、3
1 正
本患者は第2号被保険者(40歳以上65歳未満)であり、第2号被保険者であれば要介護状態等の原因である身体上又は精神上の障害がパーキンソン病等の特定疾病によって生じた場合には介護保険の申請を行い、認定を受けることができる。
2 誤
介護保険の認定申請書類は、市町村・特別区に提出する。
3 正
心身の状態に係る調査結果及び主治医の意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、要介護度の判定が行われる(一次判定)。
その後、一次判定の結果と主治医の意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行われる(二次判定)。
二次判定の結果に基づき、市町村・特別区が要介護状態等を認定する。
4 誤
要介護状態は要介護1〜5に区分され、要支援状態は要支援1〜2に区分されている。
5 誤
患者が要介護認定又は要支援認定を受けている場合には、医療保険より介護保険の適用が優先される。
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