薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 334
精神神経科医師より統合失調症治療薬パリペリドンパルミチン酸エステルを処方したいので採用してほしいとの申請が医薬品情報室に提出された。本剤については、過去に安全性速報が発出されている。そこで、本剤の採用にあたり、医薬品情報担当薬剤師による対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
1 直ちに精神神経科に安全性速報の内容を情報提供し、追って院内にも周知するよう努める。
2 パリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注が処方される患者・家族に安全性速報の内容を含めて説明する。
3 調剤室の掲示板に目立つように安全性速報を掲示し、調剤業務に役立てる。
4 急激な精神興奮などの治療を要する患者への使用に限るよう院内に周知する。
5 リスペリドン持効性懸濁注射液を使用中の患者リストを作成の上、医師と共有し、パリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注への今後の変更について検討する。
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解答 4
リスペリドンの主活性代謝物であるパリペリドンを持効性製剤としたパリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注(ゼプリオン®️水懸筋注)は、因果関係は不明であるが、使用患者における複数の死亡症例が報告されたため、2014年4月に安全性速報(ブルーレター)が発出され、次の注意喚起が行われた。
・急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと。
・リスペリドン持効性懸濁注射液から本剤への切替えにあたっては、過量投与にならないよう、用法・用量に注意すること。
・パリペリドン又は類薬であるリスペリドンでの治療経験がない場合は、まず、一定期間経口剤を投与して症状が安定していることを確認した後、これら経口剤を併用せずに本剤の投与を開始すること。
以上より、本剤を急激な精神興奮などの治療を要する患者への使用に限るよう院内に周知することは、医薬品情報担当薬剤師による対応として不適切である。
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解説動画1 ( 07:31 )
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