薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 336
3歳男児。家族で登山に行き、大量の汗をかいた。当日の夕方に帰宅後、首の周りや額に赤みを伴った小さな丘疹が現れた。以前も汗を大量にかいた後には首の周りに同様の症状が現れたことがあり、今回も赤くなった部位に同時に強いかゆみも出現したため父親が近隣の薬局を訪れて相談した。
相談された薬剤師は、男児にアレルギー歴がないことを確認し、店頭にある一般用医薬品の外用薬の中から今回の症状を緩和させる医薬品を選択した。選択した医薬品の成分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 アシクロビル
2 ジフェンヒドラミン塩酸塩、酸化亜鉛、グリチルレチン酸
3 ナイスタチン、クロラムフェニコール、フラジオマイシン硫酸塩
4 インドメタシン、トコフェロール酢酸エステル、アルニカチンキ
5 ベタメタゾン吉草酸エステル
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解答 2
本患者は、大量の汗をかいた後、首の周りや額に赤みを伴った小さな丘疹が現れたと同時に強い痒みも出現したとのことから、これらの症状を抑える一般用医薬品を選択する必要がある。
1 誤
アシクロビルを成分とする一般用医薬品は、口唇ヘルペスの再発時に使用する。口唇ヘルペスの症状は、口の周りなどにピリピリ・チクチクなどの違和感や、水ぶくれなどがあるが、本患者はこれらの症状が見られないため、患者の症状に対して用いる薬剤として、不適切である。
2 正
ジフェンヒドラミン塩酸塩、酸化亜鉛、グリチルレチン酸を成分とする一般用医薬品は、あせも、かぶれ、湿疹、かゆみなどに使用する。本薬剤は、抗ヒスタミン作用をもつジフェンヒドラミン塩酸塩、鎮痒作用をもつ酸化亜鉛、抗炎症作用をもつグリチルレチン酸を含有するため、本患者の症状に対して用いる薬剤として、適切である。
3 誤
ナイスタチン、クロラムフェニコール、フラジオマイシン硫酸塩を成分とする一般用医薬品は、おでき、ふきでものなどの化膿性皮膚疾患に使用する。本患者はこれらの症状が見られないため、患者の症状に対して用いる薬剤として、不適切である。
4 誤
インドメタシン、トコフェロール酢酸エステル、アルニカチンキを成分とする一般用医薬品は、肩こりに伴う肩の痛みや腰痛、筋肉痛などに使用する。本患者はこれらの症状が見られないため、患者の症状に対して用いる薬剤として、不適切である。
5 誤
ベタメタゾン吉草酸エステルを成分とする一般用医薬品は、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれなどに使用する。本薬剤の成分である、ベタメタゾン吉草酸エステルは、ステロイドの強さの分類の3段階目(strong)に分類され、顔面などの皮膚の薄い場所や小児への使用は推奨されないため、不適切である。
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