薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 実践問題 - 問 345
65歳男性。農作業で薬剤散布中、突然、呼吸困難を訴えたため救急搬送された。家族が持参した褐色ビンの貼付ラベルから商品名は読み取れず、一般名はイソフルロフェートと記載があった。なお、構造式は以下のとおりであることが判明した。
薬物中毒が疑われる本症例に対して用いる最も適切な解毒薬はどれか。1つ選べ。
1 薬用炭
2 チオ硫酸ナトリウム
3 プラリドキシムヨウ化物
4 フルマゼニル
5 ジメルカプロール
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解答 3
イソフルロフェートは有機リン系農薬の一種であり、コリンエステラーゼを不可逆的に阻害することで、殺虫作用を示す。解毒薬として、コリンエステラーゼ活性を回復させるプラリドキシムヨウ化物や、アトロピンなどの抗コリン薬が用いられる。
1 不適切
薬用炭は、様々な物質と吸着し、消化管からの薬物の吸収を抑制する解毒薬である。本患者は呼吸困難等を訴えていることから、薬物はすでに吸収されていると考えられるため、本解毒薬の投与は適切ではない。
2 不適切
チオ硫酸ナトリウムは、シアン中毒に用いられる解毒薬である。
3 適切
前記参照
4 不適切
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬による過度の鎮静や呼吸抑制に用いられる。
5 不適切
ジメルカプロールは、ヒ素や鉛、水銀などの重金属の解毒薬に用いられる。
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