薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 理論問題 - 問 91
分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。
2 電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。
3 一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。
4 電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。
5 結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。
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解答 1、5
分子軌道法とは、分子の構造や化学反応などに関する性質などを調べる理論の一つであり、原子価結合法を発展させた理論である。
1 正
分子軌道法では「電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている」と考える。なお、原子価結合法では、「電子は特定の原子に属している」と考える。
2 誤
パウリの排他原理により、電子は一つの軌道に2個までしか入れることができない。
3 誤
パウリの排他原理により、一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子を複数入れることはできない。
4 誤
基底状態においては、電子は必ずエネルギーの低い軌道から優先的に入る。なお、励起状態においては、電子がエネルギーの高い軌道から優先的に入ることもある。
5 正
結合次数は結合の強さの目安であり、分子軌道論においては、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2と定義されている。
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