薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 理論問題 - 問 93
状態関数と経路関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 熱と仕事は経路関数である。
2 温度は示量性の状態関数である。
3 エンタルピーは示強性の状態関数である。
4 熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。
5 状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。
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解答 1、5
系の状態が途中の経路に依存する物理量のことを経路関数(例:熱、仕事)といい、途中の経路に依存しない物理量を状態関数という。状態関数は、系の大きさが変わるとその値も変わる示量性の状態関数(例:質量、体積、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、ギブズエネルギー)と系の大きさが変わってもその値が変わらない示強性の状態関数(例:圧力、温度、濃度、モルエンタルピー、モルエントロピー、化学ポテンシャル)に分類される。
1 正
熱と仕事は経路関数である。
2 誤
温度は示強性の状態関数である。
3 誤
エンタルピーは示量性の状態関数である。
4 誤
内部エネルギーは状態関数である。なお、熱力学第一法則(ΔU=q+w)とは、「(系の)内部エネルギーの変化量ΔUは、(系に入ってくる)熱qと仕事wの和に等しい」という法則であり、状態関数である内部エネルギーと経路関数である熱と仕事の関係性を表したものである。
5 正
状態関数の変化量は途中の経路に依存しないため、始状態と終状態が同じであれば、可逆過程で変化しても不可逆過程で変化しても等しくなる。
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