薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 129
食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 サイカシンは、β−グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。
2 アフラトキシンB1は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。
3 Trp−P−1は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。
4 ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。
5 ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。
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解答 2、5
1 誤
サイカシンはソテツの実に含まれる配糖体であり、β−グルコシダーゼにより加水分解され、中間体を経てメチルカチオンとなり発がん作用を示す。
2 正
アフラトキシンB1は、Aspergillus属のカビが産生するマイコトキシンであり、シトクロムP450によりエポキシ化され、エポキシドを生成することで発がん作用を示す。
3 誤
Trp−P−1は、肉類などのタンパク質を含む食品の熱分解物の際に生じるヘテロサイクリックアミンの一種であり、シトクロムP450によるN−水酸化反応を受け、その後、硫酸抱合やアセチル抱合により生成するニトレニウムイオンにより発がん作用を示す。
4 誤
ベンゾ[a]ピレンは、有機物の不完全燃焼により生成する多環芳香族炭化水素であり、シトクロムP450によりエポキシ化され、エポキシドを生成することで発がん作用を示す。
5 正
ジメチルニトロソアミンは、食品由来の硝酸が口腔細菌により還元され生成する亜硝酸と、魚類などに含まれるジメチルアミンとが、胃内酸性条件下において生成する発がん性物質である。ジメチルニトロソアミンは、シトクロムP450によるN−脱アルキル化反応を受け、中間体を経てメチルカチオンとなり発がん作用を示す。
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