薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 155
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。
2 カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。
3 フルマゼニルは、γ−アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。
4 グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。
5 アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1、5
1 正
メチルフェニデートは、ノルアドレナリン(NAd)やドパミン(DA)の再取り込みを阻害し、シナプス間隙のNAdやDAの濃度を上昇させて神経系の機能を高めることで、覚醒作用を示す。
2 誤
カフェインは、非選択的ホスホジエステラーゼ阻害作用によるcAMPの分解抑制や、アデノシン受容体拮抗作用による神経伝達物質の遊離促進により、中枢興奮作用を示す。
3 誤
フルマゼニルは、γ−アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン(BZ)結合部位を遮断することで、BZ系薬物による呼吸抑制を改善する。
4 誤
グアンファシンは、選択的にアドレナリンα2A受容体を刺激し、前頭前皮質及び大脳基底核におけるシグナル伝達を増強することで、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)における衝動性や攻撃性などを抑制する。
5 正
アトモキセチンは、NAdの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のNAdの濃度を上昇させることで神経系の機能を高めるため、AD/HDの注意欠如などを改善する。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿