薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 161
利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。
2 トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。
3 インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+−K+−2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。
4 エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。
5 アゾセミドは、遠位尿細管のNa+−Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。
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解答 2、4
1 誤
トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断し、Na+の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。また、このNa+チャネル遮断により、間接的に管腔へのK+の排出を減少させるため、カリウム保持性の利尿作用を示す。
2 正
トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断し、水の排泄を増加させることで利尿作用を示す。
3 誤
インダパミドは、遠位尿細管のNa+−Cl-共輸送体を阻害し、水の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。なお、ヘンレ係蹄上行脚のNa+−K+−2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する利尿薬は、アゾセミドなどのループ利尿薬である。
4 正
エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、アルドステロンによるNa+−K+交換反応を抑制し、Na+の再吸収を抑制するとともにK+の排泄を減少させる。
5 誤
アゾセミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+−K+−2Cl-共輸送体を阻害し、水の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。(解説2参照)なお、遠位尿細管のNa+−Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する利尿薬は、チアジド系利尿薬や非チアジド系利尿薬である。
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