薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 174
薬物動態の非線形性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 薬物代謝が非線形性を示す場合、全身クリアランスは投与量の増加に伴い変化する。
2 血漿タンパク結合に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。
3 肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の分布容積は増加する。
4 小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。
5 尿細管分泌を担う担体輸送に飽和が生じた場合、薬物の尿細管分泌クリアランスは低下する。
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解答 1、5
1 正
薬物代謝が非線形性を示す場合、投与量の増加に伴い代謝に飽和が生じるため、全身クリアランスは低下する。
2 誤
血漿タンパク結合に飽和が生じた場合、血液中の遊離型薬物が増加するため、肝臓や腎臓への組織分布が増大するため、薬物の全身クリアランスは増大する。
3 誤
肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスの低下などは起こるが、分布容積は変化しない。
4 誤
小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物を経口投与すると初回通過効果を受けにくくなるため、循環血中移行量が増加し、バイオアベイラビリティが増大する。しかし、循環血中移行後の全身クリアランスには影響を及ぼさないため、全身クリアランスは変化しない。
5 正
尿細管分泌を担う担体輸送に飽和が生じた場合、薬物の尿細管分泌量が低下するため尿細管分泌クリアランスは低下する。
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