薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 192
アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 皮膚のバリア機能が低下している。
2 皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。
3 血液検査では、血清総IgE値の上昇が認められる。
4 治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。
5 タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。
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解答 1、3
1 正
アトピー性皮膚炎では、非免疫学要因として皮膚のバリア機能低下が認められる。皮膚のバリア機能低下に伴い、アレルゲンや微生物の侵入が容易になることで、炎症が起こりやすくなる。
2 誤
皮膚の苔癬化といった皮膚の乾燥症状を認めやすいのは成人期である。なお、乳児期では、湿疹などの湿潤性皮膚症状を認めやすい。
3 正
アトピー性皮膚炎は、Ⅰ型アレルギーの機序で発症するため、血液検査にて血清総IgE値や血中好酸球数の上昇が認められる。
4 誤
アトピー性皮膚炎の治療の第一選択は、副腎皮質ステロイド性薬の外用剤である。また、必要に応じて抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬の経口投与、タクロリムス軟膏などが用いられる。
5 誤
タクロリムス軟膏には皮膚刺激性があるため、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位には適用されない。
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