薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 193
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 移植後1週間以内に好発する。
2 予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。
3 自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。
4 ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。
5 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
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解答 2、4
移植片対宿主病(GVHD)は、移植片中に含まれる臓器提供者(ドナー)由来のリンパ球が、臓器移植を受ける患者(レシピエント)の組織を攻撃して起こる拒絶反応のことである。
1 誤
GVHDは、急性と慢性に大別され、急性GVHDは移植後約2週間程度で発症することが多く、慢性GVHDは移植後3ヶ月以降に発症するものをいう。
2 正
造血幹細胞移植後GVHDの予防としては、移植前日からレシピエントに対して免疫抑制薬(シクロスポリンやタクロリムス)の持続静脈内投与を開始する。
3 誤
自家移植(自家造血幹細胞移植)とは、患者自身の組織をあらかじめ凍結保存しておき、白血病治療などにおける大量化学療法の移植前処置後に造血幹細胞を投与する方法であり、同種移植(血縁者などからの造血幹細胞移植)と比べて、造血幹細胞移植後GVHDのリスクが少ない。
4 正
前記参照
5 誤
移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行うと、造血幹細胞が破壊されてしまう。なお、造血幹細胞移植後GVHDの予防としては、免疫抑制薬の前投与が行われる(解説2参照)。
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