薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 理論問題 - 問 195
臨床研究に関わるバイアスや交絡に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイアスを小さくできる。
2 非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。
3 マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。
4 盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。
5 フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。
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解答 1、3
1 正
ランダム化とは、臨床研究において被験者を治療群と対照群に割り付ける際にランダムに行うことをいう。また、選択バイアスとは、被験者の選択に関わる過程で生じるバイアスをいい、ある特徴をもつ偏った対象が選択されることで生じる。
したがって、ランダム化により、被験者の選択に関わる過程で生じる偏り(選択バイアス)を小さくすることができる。
2 誤
盲検化とは、臨床研究において被験者等に治療群か対照群かの情報等を与えないようにして試験を行うことをいう。また、情報バイアスとは、被験者等がデータを収集する際に情報の取違いや精度、情報収集の方法等で生じる偏りをいう。
したがって、非盲検化ではなく盲検化することで、被験者等は臨床研究情報を与えられない状態となるため、エンドポイント評価時の情報バイアスを小さくすることができる。
3 正
マッチングにより、症例と対照の間で交絡要因(年齢、性別等)を一致させることで観察研究における交絡要因の影響を小さくすることができる。
4 誤
盲検化では、情報バイアス等を小さくすることはできるが、一方で被験者等は臨床研究情報を与えられず交絡要因の情報等を得られなくなるため、交絡要因の解析はできない。
5 誤
メタアナリシスにおいて、公表バイアスによる影響を評価する際に用いるのは、ファンネルプロットである。なお、公表バイアスは出版バイアスともよばれ、有意差の出た研究のみが公表(出版)されやすく、その公表(出版)されたデータを多く収集することで、有意差の出なかった研究を評価しにくくなる偏りである。
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解説動画1 ( 20:10 )
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