薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 240,241
20歳男性。8月上旬に友人と海水浴に行くことになり、日焼け止めについて相談するため、薬局を訪れた。男性は前年の同時期に海水浴へ行き、日中、炎天下の浜辺で過ごした。その日の夕方から、昼に露出していた肌が赤くなり、その部分にほてりやヒリヒリとした痛みを感じ、その後、水ぶくれができた。男性は、最近数年間、内服薬や外用薬などの使用はなく、これまで日焼け止めを使用したことはなかった。
問240(衛生)
下図は、波長に基づく非電離放射線の分類を示している。海水浴でこの男性の肌に生じた症状の原因となる主な非電離放射線はどれか。1つ選べ。
問241(実務)
この男性に対する日焼け止めの説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 昨年と同様の皮膚症状が出たら直ちに日焼け止めを塗ってください。
2 SPF(Sun Protection Factor)の数字が大きい方が、昨年と同様の皮膚症状を防ぐ効果が期待されます。
3 皮膚に吸収されて効果を示すため、汗をかいても塗りなおす必要はありません。
4 少量で効果が期待できるので、できるだけ少量を可能な限り薄く塗ってください。
5 太陽光線の一部を吸収する成分が、皮膚炎を引き起こす原因となることがあるので注意してください。
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問240 解答 2
非電離放射線は、波長の長さから紫外線(UVA、UVB、UVC)、可視光線、赤外線に分類される。その中でもUVBは、肌が真っ赤になり、水ぶくれが生じる日やけ(サンバーン)の主な原因となる。この男性は、「海水浴で肌が赤くなり、ほてりやヒリヒリとした痛みを感じた後、水ぶくれができた。」とのことから、主な原因はUVBであることが考えられる。
1 誤
波長約280nm以下のものはUVCである。
2 正
波長約280〜320nmのものはUVBである。
3 誤
波長約320〜400nmのものはUVAである。
4 誤
波長約400〜760nmのものは可視光線である。
5 誤
波長約760〜1mmのものは赤外線である。
問241 解答 2、5
1 誤
日焼け止めは、皮膚症状が出てから塗るのではなく、日焼けの予防として紫外線に当たる前に塗る必要がある。
2 正
SPF(Sun Protection Factor)は、UVBに対する防止効果を示す。SPFの数値は、2〜50と表示され、数値が大きいほどその防止力が高まる。
3 誤
日焼け止めは、皮膚の表面で効果を示すため、汗で流れた場合や薄く塗った際に効果が低下する。そのため、2、3時間おきの塗り直しが推奨されている。
4 誤
日焼け止めは、薄く塗りすぎると効果が十分に現れない可能性があるため、適量を満遍なく塗る必要がある。
5 正
日焼け止めに使用される成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があり、太陽光線の一部を吸収する紫外線吸収剤の成分が、皮膚炎を引き起こす原因となることがある。
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解説動画1 ( 08:54 )
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