薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 312,313
40歳男性。市販の咳止め薬の購入のため薬局を訪れた。男性は4つの製品のそれぞれの特徴について薬剤師に説明を求めた。
問312(実務)
薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 製品Aは、下痢症状があらわれることがあります。
2 製品Bは、2つの去痰成分を含んでおり、痰により引き起こされる咳症状に有効です。
3 製品Cは、胃の粘膜を保護する成分も含んでいます。
4 製品Cは、動悸があらわれることがあります。
5 製品Dは、解熱鎮痛成分も含んでいます。
問313(法規・制度・倫理)
この男性の症状やこれまでの製品の使用経験などから、製品Dの鎮咳去痰薬を販売することとなった。製品Dに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。
2 特定販売ができない製品である。
3 販売者は、薬剤師に限られる。
4 原則として一人一包装単位での販売となる。
5 購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。
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問312 解答 2、4
1 誤
製品Aは、鎮咳成分であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を含有しており、副作用として吐き気・嘔吐、食欲不振などを起こすことはあるが、下痢症状の報告はされていない。
2 正
製品Bは、2つの去痰成分(L−カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩)を配合しており、痰により引き起こされる咳症状に有効性を示す。
3 誤
製品Cは気管支拡張成分(ジプロフィリン、dl−メチルエフェドリン塩酸塩)、鎮咳成分(ノスカピン)、抗アレルギー成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩)を含むが、胃粘膜保護成分は含まない。
4 正
交感神経興奮作用を示すdl−メチルエフェドリン塩酸塩及びキサンチン骨格を有するジプロフィリンは、動悸を引き起こすことがある。
5 誤
製品Dは、鎮咳成分(ジヒドロコデインリン酸塩)、去痰成分(グアイフェネシン)、抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)、中枢興奮成分(無水カフェイン)を含むが、解熱鎮痛成分は含まない。
問313 解答 1、4
一般用医薬品は、第1類医薬品及び第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む。)、第3類医薬品に分類されている。また、次に掲げるもの、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤は「濫用等のおそれのある医薬品」に指定される。
1.エフェドリン 2.コデイン 3.ジヒドロコデイン 4.ブロムワレリル尿素
5.プソイドエフェドリン 6.メチルエフェドリン
1 正
製品Dは、ジヒドロコデインリン酸塩が含まれているため、濫用等のおそれのある医薬品に該当する。濫用等のおそれのある医薬品を薬局で販売する場合、販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者は、当該医薬品の購入者又は使用者が他の薬局等から濫用等のおそれのある医薬品を購入又は譲り受けしていないかを確認することとされている。
2 誤
製品Dは、指定第2類医薬品であり、薬局において特定販売(インターネットによる販売)を行うことができる。また、特定販売できる品目には一般用医薬品(第1類医薬品及び指定第2類医薬品を含む第2類医薬品、第3類医薬品)、薬局製造販売医薬品などがある。
3 誤
薬局において、指定第2類医薬品である製品Dの販売・授与に従事できるのは、薬剤師だけでなく、登録販売者であっても良い。
4 正
濫用等のおそれのある医薬品を販売する場合、原則として一人一包装単位での販売となる。
5 誤
要指導医薬品及び一般用医薬品は自己の判断で破棄が可能であるため、購入者は、使用期限が過ぎた残薬を購入した薬局に返却する必要はない。
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解説動画1 ( 06:53 )
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