薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 318,319
54歳男性。自営業。国民健康保険に加入している。現在、妻と就学中の娘と生活している。健康診断にて要精密検査となり、精査の結果、非小細胞性肺癌と診断された。
治療方針について検討した結果、PD−L1陽性細胞率>50%で、ペムブロリズマブを用いたレジメンを開始する方針となり、その後、薬剤師が、ペムブロリズマブの副作用の1つである間質性肺炎について説明資料を作成することとなった。
問318(実務)
薬剤師が作成した説明資料の内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 発熱が起こることがあります。
2 痰のない乾いた咳が出ることがあります。
3 他者に感染させることがあります。
4 息切れを感じることがあります。
5 疲労感を感じることがあります。
問319(法規・制度・倫理)
この患者が加入している医療保険に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 我が国の医療保険制度として最初に作られた保険である。
2 保険者は、都道府県(市町村(特別区を含む)とともに)又は国民健康保険組合である。
3 その地域に住んでいる限り、年齢の上限なく継続してこの保険に加入できる。
4 保険給付の範囲は、業務災害以外の疾病や負傷等である。
5 患者の加入する保険で使用できる薬剤の品目や価格は、健康保険とは一部異なる。
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問318 解答 3
間質性肺炎は、肺胞隔壁に炎症や線維化病変が生じる疾患の総称であり、他者への感染は起こらない。また、間質性肺炎の初期症状として全身倦怠感、発熱、労作時の息切れ、空咳などが現れる。
したがって、薬剤師が作成した説明資料の内容として、選択肢1、2、4、5は正しいが、間質性肺炎は他者への感染は起こらないため、選択肢3は誤っている。
問319 解答 2
我が国の医療保険制度において、最初に作られたのは労働者を対象とした被用者保険である。その後、自営業者や退職者等を対象とした国民健康保険、原則75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の順に作られて制度の充実が図られた。医療保険制度の概要を以下に示す。
1 誤
我が国の医療保険制度として最初に作られた保険は国民健康保険ではなく、被用者保険である。
2 正
前記参照
3 誤
年齢により、加入する保険は異なる。本患者は54歳であるため国民健康保険に加入しているが、75歳以上又は65〜74歳以下で後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた場合には、現在加入している国民健康保険を脱退し、後期高齢者医療制度に加入することになる。
4 誤
本患者が加入している国民健康保険は、業務上(業務災害)又は業務外(業務災害以外)の事由の区別なく保険給付の対象となる。
5 誤
国民健康保険と健康保険(被用者保険)で、使用される薬剤の品目や価格に異なる点はない。加入する保険の種類にかかわらず、給付される療養の種類は原則として同じになる。
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解説動画1 ( 06:27 )
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