薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 327
薬剤師による歯科受診勧奨に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 糖尿病患者への歯周病検査の受診勧奨は重要である。
2 顎の腫れを伴う歯痛の場合は、一般用医薬品にて経過観察後、受診勧奨する。
3 オーラルフレイル予防と定期歯科検診のため歯科受診勧奨は重要である。
4 歯茎から膿が出る症状の場合、直ちに受診勧奨をすべきである。
5 高齢者では口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防のための受診勧奨は重要である。
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解答 2
1 正しい
糖尿病患者は、1型2型に関わらず非糖尿病者に比較して有意と歯周病の発症率が高いため、歯周病検査の受診勧奨は重要である。
2 誤っている
顎の腫れを伴う歯痛の場合、細菌感染により歯茎が腫れている場合や顎骨壊死など重篤な症状の可能性があるため、自己判断で一般用医薬品を使用するのではなく、歯科に受診するように勧める。
3 正しい
オーラルフレイルは口腔機能の低下を示す身体の衰えである。放置すると身体的フレイルや要介護、死亡のリスクが上がることも報告されている。定期的な歯科検診はオーラルフレイル予防に重要であり、口腔の健康状態を評価することで早期治療も可能となるため、受診勧奨することが重要である。
4 正しい
歯茎から膿が出る症状の場合、歯周病をはじめ、根尖病巣(歯の根の先に膿が溜まる病気)、歯根破折(歯の根が折れる症状)、智歯周囲炎(親知らずの周囲に炎症が起きる病気)などを起こしている可能性がある。放置しておくとさらに症状が悪化する可能性があるため、直ちに受診勧奨をすべきである。
5 正しい
誤嚥は繰り返し起こりやすく、自覚症状が少ないため完全に防ぐことは困難である。しかし、口腔ケアをすることで細菌や食べかすを減らすことができるため、誤嚥が起こった場合の肺炎リスクを低減することが可能である。そのため、高齢者に対して口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防のための受信勧奨を行うことは重要である。
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