薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 328
75歳女性。1年前に軽度認知障害と診断されたが、日常生活に大きな問題はなかった。最近、少し家事を行っただけで疲れを感じるようになったので、健康相談のために薬局を訪れた。薬剤師は、Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)を用いて身体的フレイルの評価を実施し、地域包括支援センターと連携することにした。評価項目として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 声量低下
2 認知機能低下
3 睡眠時間の短縮
4 体重減少
5 歩行速度の低下
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解答 4、5
フレイルとは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す「frailty」の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語である。フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性(身体的フレイル)のみならず精神・心理的脆弱性(心理・認知的フレイル)や社会的脆弱性(社会的フレイル)などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。
薬剤師はこの女性の「少し家事を行っただけで疲れを感じるようになった」という主訴から、Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)を用いた身体的フレイルを評価したと考えられる。このCHS基準の評価項目とその基準について以下に示す。
以上より、「体重減少」(選択肢4)と「歩行速度の低下」(選択肢5)が正答である。
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