薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 329
60歳女性。腎不全のため高カロリー輸液による栄養管理を実施することになった。担当薬剤師はブドウ糖含有率50%の基本輸液500 mL、脂肪乳剤100 mL、高カロリー輸液用微量元素製剤2 mL、総合ビタミン剤5 mLを用意した。この組成の輸液に加える総窒素量10 mg/mLの総合アミノ酸輸液の量として、最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、この患者のNPC/N比を400、脂肪乳剤100 mLに含まれる熱量を200 kcalとする。
1 200 mL
2 300 mL
3 400 mL
4 500 mL
5 600 mL
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解答 2
NPC/Nは、投与アミノ酸輸液中の窒素1gあたりの非タンパク質カロリー(kcal)であり、一般的にはNPC/Nを150〜200に設定するとタンパク質合成が効率よく行われるが、本患者のように腎不全の患者の場合は300〜500を目安とする。
本患者に投与する輸液に加える総窒素量10 mg/mLの総合アミノ酸輸液の量(X mL)は、非タンパク質カロリー/窒素量(NPC/N)から算出する。
【NPC(kcal)】
ブドウ糖含有率50%の基本輸液500 mLのカロリーは1000 kcal(50 g/100 mL×500 mL×4 kcal/g)、高カロリー輸液用微量元素製剤2 mLのカロリーは、設問文より200 kcalであるため、非タンパク質カロリー(NPC)は合計1200 kcal・・・①となる。
【窒素量(g)】
総窒素量10 mg/mL(0.01 g/mL)の総合アミノ酸輸液X mL中の総窒素量は、0.01X g(0.01 g/mL×X mL)・・・②である。
【NPC/N(kcal/ g)】
NPC/Nを400にするため、①、②より以下の式が成り立つ。
NPC/N=1200/0.01X=400
これを解いて、輸液に加える総窒素量10 mg/mLの総合アミノ酸輸液の量(X mL)は、X=300 mLとなる。
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解説動画1 ( 07:12 )
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