薬剤師国家試験 令和05年度 第108回 - 一般 実践問題 - 問 339
病院薬剤部において、薬物治療の質向上や効率化を図るため、プロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)を検討することとなった。PBPMに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 薬剤部内で内容を取り決め、診療科に通知して実施する。
2 プロトコルを取り決めれば、医師の承認を得ずに、病棟担当薬剤師による処方が可能である。
3 クリニカルパスと同義である。
4 他の病院において実施・公開されているプロトコルは、院内の承認を経ずに実施可能である。
5 導入により、治療効果、入院期間短縮、患者QOLの向上などの観点から評価を行い、業務改善に繋げることができる。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 5
プロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)とは、医師・薬剤師などが事前に作成・合意したプロトコルに基づき、薬剤師が薬学的知識・技能の活用により、医師などと協働して薬物治療管理を実行することである。PBPMの実践により、薬物療法の質の向上や安全性の確保、さらには医師などの業務負担軽減に寄与し、今後のチーム医療に大きく寄与することが期待されている。
1 誤
プロトコルの内容は、全診療科に及ぶものや特定の診療科を対象にしたものや、専門領域の特定の薬剤師が関与するものなどがある。どの内容であっても医師・薬剤師等が協働で計画し、関連部署と十分に検討を行った上でプロトコルを作成し、院内の最高決定会議が承認して実施する。
2 誤
病棟担当薬剤師がプロトコルに基づき処方オーダした際には、医師がオーダ内容について最終決定し、承認する必要がある。
3 誤
クリニカルパスとは、良質な医療を効率的、かつ安全、適性に提供するための手段として開発された診療計画書であり、PBPMと同義ではない。
4 誤
プロトコルの内容は、医師・薬剤師等が協働で計画し、関連部署と十分に検討を行った上で作成し、それぞれの病院内の最高決定会議が承認して実施するものであるため、他の病院のプロトコルが当該病院に適応できるわけではない。
5 正
PBPMは、導入により薬物療法の質の向上が見込めるため、治療効果、入院期間短縮、患者QOLの向上などの観点から評価を行うことで、チーム医療における薬剤師の業務改善に繋げることができる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿