薬剤師国家試験 令和06年度 第109回 - 一般 理論問題 - 問 134
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
2 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。
3 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
4 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
5 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。
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解答 1、4
1 正
単回投与毒性試験から得られる半数致死量(LD50:Lethal Dose 50)は、ある一定の条件下で動物に試験物質を投与した場合に動物の半数を死亡させる投与量であり、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
2 誤
化学物質の毒性試験は、一般毒性試験と特殊毒性試験に大別される。一般毒性試験は、化学物質の毒性の強さを確認する目的で行われ、単回投与毒性試験や反復投与毒性試験などが該当する。特殊毒性試験は、化学物質の特定の有害作用を確認する目的で行われ、遺伝毒性試験やアレルゲン性試験、催奇形性試験などが該当する。
3 誤
Ames試験などの微生物を用いる復帰突然変異試験は、遺伝毒性試験(変異原性試験)に該当し、遺伝毒性発がん物質(発がんイニシエーター)のスクリーニングに用いられている。
4 正
食品添加物のアレルゲン性試験では、化学物質を摂取した場合の即時型アレルギー誘発性を予測する方法は未確立であるため、通常、遅延型アレルギーを指標とする試験が用いられる。
5 誤
催奇形性試験は、被験物質を胎仔の器官形成時期の妊娠動物に投与して行うことで、出産直後の催奇形性の有無を調べる。なお、被験物質を交配前の雄性または雌性動物に投与して生殖能などを調べるのは、生殖毒性試験である。
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