薬剤師国家試験 令和06年度 第109回 - 一般 理論問題 - 問 136
図1〜4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。図1は、あらかじめ毛を剃ったマウスの背部皮膚に化学物質A又は化学物質Bを1回だけ塗布し、その後、同一部位に化学物質Cを1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。図2、3、4は、化学物質A、B、Cを図1と同じ用量でそれぞれ単独で、毛を剃ったマウスの背部皮膚に1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。これらの結果からわかる化学物質A、B、Cの発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 化学物質Aには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
2 化学物質Bには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
3 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
4 化学物質Aには、発がんプロモーターとしての作用がある。
5 化学物質Bには、発がんプロモーターとしての作用がある。
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解答 3、4
正常な細胞が、がん細胞になるまでの発がんプロセスにおいて、まず、発がんイニシエーターが正常な細胞の遺伝子に変異を起こし、続いて、発がんプロモーターが変異した遺伝子細胞を増殖させることでがん化が進行すると考えられている。
図2より、化学物質Aを単独で連続塗布すると、腫瘍発生マウスの割合が増加しているため、化学物質Aは発がんイニシエーター、発がんプロモーターとしての両方の作用があることが考えられる。
図3、4より、化学物質B、Cを単独で連続塗布してもマウスに腫瘍が発生していないため、化学物質B、Cは発がんイニシエーター、発がんプロモーターとしての両方の作用はないが、図1より、化学物質Bを1回塗布した後に、化学物質Cを連続塗布することで腫瘍発生マウスの割合が増加していることから、化学物質Bは発がんイニシエーターとしての作用、化学物質Cは発がんプロモーターとしての作用があることが考えられる。
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解説動画1 ( 08:35 )
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