薬剤師国家試験 令和06年度 第109回 - 一般 理論問題 - 問 161
造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。
2 メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。
3 ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。
4 フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の放出を増加させる。
5 葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。
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解答 3、5
1 誤
エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体作動薬であり、骨髄前駆細胞のトロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板の産生を促進するため、再生不良性貧血などに用いられる。なお、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する薬物は、エポエチン アルファなどのエリスロポエチン製剤である。
2 誤
メコバラミンは、ビタミンB12製剤であり、赤芽球の成熟・分裂を促進することで、赤芽球の産生を増加させるため、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に用いられる。なお、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する薬物は、ビタミンB6製剤のピリドキシンである。
3 正
ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬であり、HIF-PHを阻害することで、エリスロポエチンの転写因子であるHIFの分解を抑制して腎臓でのエリスロポエチンの産生を促進するため、腎性貧血に用いられる。
4 誤
フィルグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)製剤であり、好中球前駆細胞から好中球への分化を促進するため、好中球減少症などに用いられる。
5 正
葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進するため、再生不良性貧血などに用いられる。
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解説動画1 ( 11:58 )
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