薬剤師国家試験 令和06年度 第109回 - 一般 理論問題 - 問 162
胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。
2 ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。
3 ランソプラゾールは、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。
4 ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。
5 オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。
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解答 1、2
1 正
スクラルファートは、防御因子増強薬であり、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。
2 正
ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制して、胃酸分泌を抑制する。
3 誤
ランソプラゾールは、胃の壁細胞に存在するプロトンポンプのSH基と酸性環境下で共有結合を形成することで、胃酸分泌を抑制する。なお、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する薬は、ボノプラザンである。
4 誤
ミソプロストールは、胃の壁細胞に存在するプロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。
5 誤
オキセサゼインは、胃幽門部からのガストリン遊離を抑制することで、胃酸分泌を抑制する。なお、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する薬は、プログルミド(現在適応なし)である。
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解説動画1 ( 11:55 )
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