薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 113
ほ乳類細胞の細胞膜を介した物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 細胞膜の透過性は分子やイオンの大きさに依存するので、H+は自由に移動できる。
2 酸素分子は、細胞内外の濃度勾配に従って単純拡散により移動する。
3 細胞膜にあるCa2+ポンプ(P型Ca2+−ATPアーゼ)は、細胞外のCa2+を細胞内へ輸送する。
4 多くの細胞において、グルコースは特異的なトランスポーターによって細胞内へ運ばれる。
5 エキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送である。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2、4
1 誤
細胞膜の透過性は分子やイオンの大きさに依存するほか、それらの脂溶性の度合いによっても影響を受ける。H+などのイオンは、細胞膜に存在する輸送体やイオンチャネルなどの膜タンパクにより膜透過が支配されているため、自由に移動することは出来ない。
2 正
酸素分子や二酸化炭素などの荷電していない小さな分子は、単純拡散により細胞膜を通過する。
3 誤
細胞膜にあるCa2+ポンプ(P型Ca2+−ATPアーゼ)は、細胞内のCa2+を細胞外へ輸送する。なお、細胞外のCa2+が細胞内に移動する際には、Ca2+チャネルが関与している。
4 正
グルコースは水溶性であるため、単純拡散により細胞内に移行することはできない。そのため、多くの細胞において、グルコースは、特異的なトランスポーター(GULT)によって細胞内に運ばれる。
5 誤
エキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞外に排出する膜動輸送である。なお、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送をエンドサイトーシス(endocytosis)という。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿