薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 120
ウイルスに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 インターフェロンは、ウイルス表面の受容体に結合して作用する。
2 A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することにより、ウイルスの増殖が抑制される。
3 成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスHTLV−1は、RNAウイルスである。
4 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、宿主T細胞表面のCD4とケモカイン受容体を介して感染する。
5 B型肝炎ウイルスにより肝炎を発症した患者の血清には、感染性のウイルス粒子が検出される。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1
1 誤っている
インターフェロンは、ウイルスに感染した宿主細胞(ウイルス感染細胞)のINF受容体に結合して、細胞内のウイルスの増殖を抑制するサイトカインの一種である。
2 正しい
A型及びB型インフルエンザウイルスは、ノイラミニダーゼ(NA)有しており、宿主細胞から放出されるにはNAを必要とする。A型及びB型インフルエンザウイルスのNAが阻害されると、宿主細胞より、インフルエンザウイルスが放出されなくなり、インフルエンザウイルスの増殖が抑制される。
3 正しい
HTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス)−1は、レトロウイルス科に分類されるRNAウイルスである。HTLV−1に感染すると、30〜50年の潜伏期間を経て、成人T細胞白血病(ATL)を引き起こす。
4 正しい
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こすウイルスであり、ヘルパーT細胞表面のCD4及びケモカイン受容体を介して感染する。
5 正しい
B型肝炎を発症した患者の血清からは、HBs抗原(小型球形粒子、桿状粒子)および感染性を有するウイルス粒子が検出される。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿