薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 126
以下の疫学調査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 患者発生地域と汚染地域が一致するために、カドミウムを原因とする仮説が立つ。
2 この調査は、介入研究である。
3 この調査は、症例対照研究である。
4 この調査では、交絡因子に関する情報は得られない。
5 この結果からオッズ比を求めることができる。
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解答 1、4
本問の調査は記述疫学である。記述疫学は、時・人・場所の3方向から問題とする疾病や健康に関する事象について観察して記述(記載)し、疾病の発生要因について仮説を設定する方法である。
1 正
患者発生地域と汚染地域がある程度一致することから、カドミウムを原因として仮説を立てることができる。
2 誤
この調査は、記述疫学である。なお、介入研究とは、記述疫学で要因と疾病の間である仮説を設定した場合や、分析疫学で要因と疾病との因果関係が明らかにされた場合に、さらに要因となるものを人為的に与えたり、または、取り除くことにより実際に介入実験を行って疾病の発症度を調べ、予防法や治療法を調査する研究をいう。
3 誤
この調査は、記述疫学である。なお、症例対照研究とは、ある疾病をもつ患者群ともたない対照群において、疾病の原因になると思われる要因に過去に暴露されていたかどうかを調査する研究をいう。
4 正
交絡因子とは、調査しようとする要因以外で疾病の発生に影響を及ぼす因子のことをいう。この調査では、カドミウム以外の交絡因子については記載されていないので、交絡因子に関する情報は得られない。
5 誤
オッズ比は、分析疫学の1つである症例対照研究で求めることができる。本調査は記述疫学なので、オッズ比を求めることはできない。
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