薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 116
染色体及びDNAに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ヒストンの化学修飾により、クロマチンの構造が変化する。
2 転写が活発に行われている染色体の領域では、ヌクレオソームが凝縮している。
3 DNAは、RNAに比べてアルカリ加水分解を受けやすい。
4 真核細胞の染色体末端にあるテロメアは、DNA末端の保護に寄与する。
5 DNA水溶液(pH7.0)は、280 nmで吸収極大を示す。
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解答 1、4
1 正
クロマチンは、塩基性タンパク質であるヒストンにDNAが巻き付く形で結合した構造をしている。ヒストンがアセチル化、メチル化などの化学修飾を受けると、ヒストンのもつ電荷等が変化しDNAとの親和性が変わるため、クロマチンの構造が変化する。
2 誤
クロマチンの構成単位をヌクレオソームという。転写が活発に行われている染色体(ユークロマチン)の領域では、ヌクレオソームが比較的分散している。一方、転写が起こりにくい染色体(ヘテロクロマチン)の領域では、ヌクレオソームが凝集している。
3 誤
RNAとDNAをアルカリで処理すると、RNAではリボースの2´ヒドロキシ基が隣接するリン酸基を攻撃してRNA鎖の切断がおこるが、DNAでは2´位にヒドロキシ基がないためこのような反応はおこらない。したがって、DNAはRNAに比べアルカリに対して安定である。
4 正
真核細胞の染色体末端部分をテロメアといい、グアニンとシトシンを多く含む単純な反復配列からなる。テロメアは、折れ曲がり構造をとることでエキソヌクレアーゼによる分解を防ぎ、DNA末端の保護に寄与している。
5 誤
核酸塩基は260 nmに紫外線吸収極大を示すため、DNA水溶液は260 nmで吸収極大を示す。
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