薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 117
真核細胞におけるメッセンジャーRNA(mRNA)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 3’末端に付加されるポリ(A)(ポリアデニル酸)は、mRNAの安定性に関与する。
2 多くの遺伝子において、ポリ(A)の付加に関与するシグナル配列が存在する。
3 5’末端のキャップ構造は、転写開始反応に関わる。
4 核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)は、スプライシングに関与する。
5 スプライシングにより、1つの遺伝子から複数種のmRNAがつくられることがある。
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解答 3
1 正しい
3’末端に付加されるポリ(A)は、エキソヌクレアーゼによるmRNAの分解を防ぎ、mRNAの安定性に関与している。
2 正しい
多くの遺伝子には、エキソン末端付近にポリ(A)付加シグナルとよばれる切断シグナルが存在し、合成中のRNAはシグナル付近で切断される。その後、切断によって新たに生じた3´末端にポリ(A)ポリメラーゼが作用し、ポリ(A)が付加される。
3 誤っている
5’末端のキャップ構造は、翻訳開始反応やmRNAの分解の防止に関与する。
4 正しい
スプライシングとは、転写により合成されたヘテロ核RNAからイントロン部分を除去してエキソン配列同士を結合させる反応である。この反応には、核内低分子RNA(snRNA)とタンパク質の複合体である核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)が関与している。
5 正しい
選択的スプライシング(スプライシングの際、イントロンとして除去される領域を変化させることにより、1つの遺伝子から複数種のmRNAがつくられること)により、1つの遺伝子から複数種のmRNAがつくられることがある。
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