薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 118
1950年代後半、F.M.バーネットは、多様な抗原に対して特異的な免疫応答が起こるしくみを説明するためにクローン選択説を提唱した。クローン選択説の内容に合致する記述はどれか。2つ選べ。
1 リンパ球の抗原受容体の多様性は、受容体ポリペプチド鎖がさまざまな抗原を鋳型として、それぞれに特異的な折りたたまれ方をすることで生み出される。
2 個体発生の段階で多様なリンパ球クローンが生成し、その中から特定の抗原と結合する受容体をもつクローンが選択され増殖する。
3 ある抗原に反応するリンパ球は、その抗原とは異なる抗原に結合する抗体を分泌する細胞に分化する。
4 自己成分に強く反応するリンパ球クローンは、免疫系が未成熟な時期に周囲の自己成分と接触することにより除去される。
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解答 2、4
1 誤
リンパ球(B細胞、T細胞)の抗原受容体の多様性は、すでに発現している抗原受容体が、侵入した抗原の構造に合わせて特異的に折りたたまれて構造を変化させるのではなく、抗原受容体の遺伝子DNAの再編成により生み出される。
2 正
クローン選択説では、「個体発生の段階で多様なリンパ球クローンが生成し、これらのうち、侵入した抗原と結合受容体をもつリンパ球クローンが選択され増殖する。」とされている。
3 誤
ある抗原に反応するBリンパ球は、その抗原と同一の抗原に結合する抗体を分泌する細胞に分化する。
4 正
自己成分に強く反応するリンパ球クローンは、自己攻撃性を示すリンパ球になる可能性がある。このため、免疫系が未成熟な時期に、B細胞は骨髄において、T細胞は胸腺において自己成分と接触することにより除去される。
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