薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 130

有害物質とその生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標の組合せのうち、正しいのはどれか。２つ選べ。

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解答　１、２

１　正
無機鉛の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、δ−アミノレブリン酸およびコプロポルフィリンである。無機鉛に暴露された結果、δ−アミノレブリン酸脱水酵素およびフェロキレターゼ（ヘム合成に関与する酵素）が阻害されるため、尿中のδ−アミノレブリン酸およびコプロポルフィリンが増加する。

２　正
カドミウムの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、β2−ミクログロブリンである。カドミウムに暴露された結果、腎臓の近位尿細管障害が起こるため、尿中にβ2−ミクログロブリンなどの低タンパク質が排泄されるようになる。

３　誤
水銀の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、無機水銀である。なお、コプロポルフィリンは、無機鉛暴露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。

４　誤
キシレンの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、メチル馬尿酸である。キシレンは、ヒト体内でシトクロムP450による代謝およびグリシン抱合を受けたあと、メチル馬尿酸となる。なお、クレゾールは、トルエン暴露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。

５　誤
ベンゼンの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、フェノールである。ベンゼンはヒト体内でシトクロムP450による代謝を受けたあと、フェノールとなる。なお、マンデル酸は、スチレン暴露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。

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