薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 133
図は、ある被検化合物について、ネズミチフス菌(Salmonella enterica serover Typhimurium)のTA100株を用いてAmes試験を行った結果である。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ネズミチフス菌のTA100株は、ヒスチジン要求性である。
2 復帰変異部位のDNA配列は、野生株の当該部位のDNA配列と常に同一である。
3 被検化合物は、塩基対置換型の変異原性を示す。
4 S9mixは、動物の肝可溶性画分にNADPHなどの補酵素類を加えたものである。
5 被検化合物のS9mixによる代謝産物は、変異原性を示さない。
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解答 1、3
1 正
ネズミチフス菌のTA100株(塩基対置換型のヒスチジン要求性株)は、遺伝子の変異によりヒスチジンの生合成を行えないため、ヒスチジンを含む培地でなければ増殖できないヒスチジン要求性株である。
2 誤
復帰変異部位のDNA配列(変異により生じた新たなDNA配列)は、野生株の当該部位のDNA配列と同一であるとは限らない。
3 正
ネズミチフス菌のTA100株は、被検化合物の塩基対置換型の変異原性を検出することができる。実験結果より、S9mix非添加系で被検化合物濃度の上昇とともに復帰変異コロニー数が増加しているため、被検化合物は、塩基対置換型の変異原性を示すといえる。
4 誤
S9mixは、動物の肝ミクロソーム画分および肝可溶性画分にNADPHなどの補酵素類を加えたものである。
5 誤
実験結果より、S9mix添加系は、S9mix非添加系よりも復帰変異コロニー数が減少しているため、被検化合物は代謝を受けることによって変異原性が低下すると考えられる。しかし、S9mix添加系においても、被検化合物濃度の上昇にしたがって復帰変異コロニー数が増加しているため、被検化合物のS9mixによる代謝産物も変異原性を示すと考えられる。
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