薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 153
眼に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ラニビズマブは、血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑制し、脈絡膜の血管新生を抑制する。
2 イソプロピルウノプロストンは、アドレナリンα1受容体を選択的に遮断し、眼房水流出を促進する。
3 アプラクロニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激し、眼圧を低下させる。
4 ピロカルピンは、コリンエステラーゼを阻害し、瞳孔括約筋を収縮させる。
5 トロピカミドは、毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、眼圧を低下させる。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1、3
1 正
ラニビズマブは、血管内皮増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体製剤である。VEGFによる血管新生作用及び血管透過性亢進作用を抑制するため、脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症に用いられる。
2 誤
イソプロピルウノプロストンは、PGF2α誘導体である。ぶどう膜強膜流出路からの眼房水流出を促進し眼圧を低下させるため、緑内障の治療に用いられる。
3 正
アプラクロニジンは、アドレナリンα2受容体刺激薬である。眼房水産生を抑制及びぶどう膜強膜流出路からの眼房水流出を促進することにより眼圧を低下させるため、アルゴンレーザー術後に生じる眼圧上昇の防止などに用いられる。
4 誤
ピロカルピンは、ムスカリンM3受容体刺激薬である。瞳孔括約筋収縮による縮瞳作用及び毛様体筋収縮による眼房水流出促進作用を示す。
5 誤
トロピカミドは、ムスカリン受容体遮断薬(抗コリン薬)である。毛様体筋のM3受容体遮断作用を介してアセチルコリンによる毛様体筋収縮を抑制するため、シュレム管を閉塞させ眼圧を上昇させる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿