薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 実践問題 - 問 254,255

一般用医薬品であるリアップX5（5％ミノキシジル製剤）を求めて女性が薬局を訪れた。

問254（薬理）
ミノキシジルはATP感受性K＋チャネル開口作用を待つ。この作用により引き起こされる可能性のあるものはどれか｡２つ選べ。

１　血糖上昇
２　気道収縮
３　冠動脈収縮
４　反射性徐脈
５　末梢血管拡張


問255（実務）
販売時の来局者への対応として重要性の最も低いのはどれか。１つ選べ。

１　使用者の年齢を確認した。
２　使用者の性別を確認した。
３　使用者に気管支ぜん息の既往歴がないことを確認した。
４　使用者に高血圧の既往歴がないことを確認した。
５　使用者に心臓・腎臓の障害がないことを確認した。

REC講師による詳細解説！ 解説を表示

問254　解答　１、５

ミノキシジルは、壮年性脱毛症における発毛、育毛および脱毛の進行予防薬として用いられている一般用医薬品（OTC薬）の有効成分であり、ATP感受性K＋チャネル開口作用をもつ。

１　正
ミノキシジルは、膵臓ランゲルハンス島β細胞のATP感受性K＋チャネルの開口を介して、インスリン分泌を抑制し、血糖値を上昇させる可能性がある。

２　誤
気道平滑筋のATP感受性K＋チャネルが開口すると、K＋の細胞外流出により細胞が過分極し、平滑筋弛緩による気道拡張がおこる。よって、ミノキシジルは気道拡張をおこす可能性がある。

３　誤
血管平滑筋のATP感受性K＋チャネルが開口すると、K＋の細胞外流出により細胞が過分極し、平滑筋弛緩による血管拡張がおこる。よって、ミノキシジルは冠動脈拡張および末梢血管拡張をおこす可能性がある。

４　誤
ミノキシジルは、解説3の作用により血圧低下を引き起こす。この作用により、反射性頻脈がおこる可能性がある。

５　正
解説3参照


問255　解答　３

１　誤
本剤は、未成年者（20歳未満）に使用することができない。したがって、販売時に使用者の年齢を確認する必要がある。

２　誤
本剤は、女性に使用することができない。したがって、販売時に使用者の性別を確認する必要がある。

３　正
本剤の添付文書には、気管支ぜん息の既往歴がある使用者についての注意事項は表記されていない。したがって、気管支ぜん息の既往歴の有無を確認することは、選択肢中では最も重要性が低いと考えられる。

４　誤
本剤は、高血圧の人、低血圧の人は使用の前に薬剤師等に相談することとされている。したがって、販売時に使用者の高血圧の既往歴がないことを確認する必要がある。

５　誤
本剤は、心臓又は腎臓に障害がある人は使用の前に薬剤師等に相談することとされている。したがって、販売時に使用者に心臓・腎臓の障害がないことを確認する必要がある。

解説動画１ ( 12:14 )  

※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です 

他の解説動画を見る