薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 実践問題 - 問 316,317
83歳男性。脳梗塞で寝たきり状態となり、自宅で療養中である。
問316(実務)
この患者の家族からの訴えに応じて、保険薬局の薬剤師が以下のことを行った。処方医への確認なしで薬剤師が行った対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問317(法規・制度・倫理)
この患者は要介護認定を受けていた。薬剤師の行う居宅療養管理指導に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
1 通所介護を受けるために滞在している施設においても実施できる。
2 提供した居宅療養管理指導の内容について、速やかに記録を作成し、医師又は歯科医師に文書で報告する。
3 保険薬局では厚生労働大臣の許可を受けなければ実施できない。
4 薬剤師が1人の保険薬局でも実施できる。
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問316 解答 1、4
1 正
医薬品の廃棄や使用可能な薬剤整理は、処方医への確認なしで薬剤師が行うことができる行為である。
2 誤
処方医に確認せず、大幅な剤形の変更を行うことはできない。よって、「散剤でむせます。」という家族からの訴えに対して、処方医に確認せず、同成分の水剤に変更することはできない。
3 誤
処方医に確認せず、服用回数を変更することはできない。よって、「日中寝ていることが多く、1日何回も服用できません。」という家族からの訴えに対して、処方医に確認せず、服用回数を変更することはできない。
4 正
薬の服用忘れを防ぐために服薬カレンダーを勧めることは、処方医への確認なしで薬剤師が行うことができる行為である。
5 誤
処方医に確認せず、用量を変更することはできない。よって、「処方された便秘薬が効きません。」という家族からの訴えに対して、処方医に確認せず、用量を変更することはできない。
問317 解答 2、4
1 誤
居宅療養管理指導は、通院が困難な利用者の居宅又は居宅している施設において行うものである。よって、通所介護を受けるために滞在している施設では、居宅療養管理指導を実施することはできない。
2 正
提供した居宅療養管理指導の内容について、速やかに記録(薬剤服用歴)を作成するとともに、医師又は歯科医師に文書で報告する。
3 誤
健康保険法による保険薬局・保険医療機関の指定を受けた場合、指定居宅サービス事業者(薬局にあっては居宅療養管理指導に限る)の指定があったものとみなされる。よって、保険薬局では居宅療養管理指導を行う際に、別段の手続きを行う必要はない。
4 正
保険薬局の指定を受けた薬局であれば、薬剤師の人数に関係なく、居宅療養管理指導を実施することができる。ただし、薬剤師が1人の保険薬局において居宅療養管理指導を実施する場合には、居宅療養管理指導を実施する時間帯は、当該薬局に薬剤師が不在となるため、閉局する必要がある。
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